手帳閑話~「スピン*しおり」~

こんにちは!飯島です。

ご自分の使っている手帳には、しおりひもはついていますか?ほとんどの手帳にはしおりひもがついており、必要なページをさっと開くためには便利なものです。紙のしおりと違い、手帳にくっついているので落として紛失することがありません。

製本用語ではスピンといいます。今回は、スピンについてお話します。

▼目次

① スピンの由来

② スピンの素材と種類


③ スピン付け機械


④ スピンがほつれた時の対策

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① スピンの由来

このしおりひもですが、専門用語ではスピンとも言われております。語源は不明なようですが、日本独自の表現らしいです。


② スピンの素材と種類

素材はレーヨン(rayon) というものが使われています。
レーヨンは絹に似せて作った再生繊維であり、昔は人絹(じんけん、人造絹糸)、ステープル・ファイバーからスフとも呼ばれていたそうです。レーヨンは光線(英:ray)と綿 (cotton) を組み合わせた言葉です。

色バリエーションも多種あります。

 

 

 

13と17の違いは、使っている糸の本数です。13は糸13本で編み込んであり、17は糸17本で編み込んでいます。

“堅打ち”は“打ち”に対してさらにきつく編みこんでいて、目が詰まっています。

 

 

 

ボビン

 

 

 

見本帳ではカット済のものを並べてありますが、入荷時は各色ごとボビン状態です。
通常、スピン機械で取り付けるときこのボビンを機械にセットし、1本の長さを調整しますと自動でその寸法にカットされます。

 

 

 

 


※サテン・・・
繻子織りにした織物。帯地・半襟・洋服地などに用いられる。
しゅす‐おり 【繻子織(り)】縦糸と横糸とが交差する点が連続することなく、縦糸または横糸だけが表に現れるような織り方。また、その織物。一般に縦糸の浮きが多く、斜文織りよりさらに光沢がある。テカテカ・サラサラしていて薄いシルクのような肌触り。

上記写真のようなサテン生地リボンのものもありますが、量産使用には制約があります。
手帳のスピン付けは基本、機械で付けますが(自動しおり付け機)、サテンリボンは自動しおり付け機ではつけることが出来ません。
また、生地の性質上カッターなどで裁ちのままですとカット断面からほつれてきます。
よってサテンリボンはヒートカットという手法でのカットが必要となり、付け作業は手作業となります。時間とコストがレーヨンリボンよりかかります。

※ヒートカットとは・・・普通は刃物を使って裁断しますが、熱で生地を溶かしながらカットする方法です。生地は、高熱で溶解する、化学繊維に限られます。主にナイロン系。熱でとかしているので裁断面からほつれないのがメリットです。街で見かけるのぼりなどがヒートカット加工です。


③ スピン付け機

手帳のスピンはどのような手法で取り付けているかご存知ですか。
基本はスピン付け機で自動で取り付けています。

スピン付け機

スピン付け機小口を上にして送られてくる本の中央を、振り分けプレートによって開き、その中にボビンに巻かれたしおりひもを自動的に挿入します。
しおりは必要寸法に切られて本の中に折りこまれます。頭に出ている2cm程度の紐の端は、背に糊付けされて送り出されます。

束(手帳の厚さ)が薄いと機械での自動取り付けができないため、手作業付けとなります。
また、特殊なものはやはり手作業付けとなります。

③ スピンがほつれた時の対策
手帳は1年間使用しますので、スピンの使用頻度も高くなり使っているうちにスピンの先端がどうしてもほつれてきます。
ほつれたスピンって見た目美しくないですよね。

こっこさまのブログに進行中のほつれへの対策がのっています。
・しおり紐の端を「結ぶ」
・先端にチャームをつける

三崎栄一郎さまのブログにマスキングテープを使った対策がのっています
・先端をマスキングテープで補強する

いずれも簡単に出来る素敵なアイデアですよね。
ほつれが気になっていた方は、やってみてはいかがでしょうか(*^▽^*)

先日の弊社ブログで遠藤が書いたハロウィン〜手帳の仮装〜にもしおりのことが書いてありますので、是非ご覧ください♪