こんにちは、谷山です。
これから菁文堂と一緒にものづくりをしていただいた方にインタビュー形式で取材し、ブログに上げていきます。
第一弾はたびたびお世話になっている、宮崎じゅんさんです。
<自分と向き合うことに特化した、今日よりちょっといい明日をサポートする手帳>
9月7日、弊社越谷工場にて、maketime手帳を考案した宮崎じゅんさんへの取材をさせていただきました。
谷山
本日はMakuakeのクラウドファンディングで、maketime手帳プロジェクトを成功した宮崎さんへ、インタビューをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
宮崎
よろしくお願いします。
[クラファン大成功! 宮崎じゅんさんとは?]
谷山
色んな肩書きがありますので、宮崎さんの方から改めて、ご紹介いただけますか?
宮崎
色々あるので、ちょっと説明いたします。
今、基本的には手帳活用プランナーと名乗っています。
また最近は、時間のコンサルタントとか、手帳のコンサルタントって言ってくださる方もいらっしゃいます。手帳の使い方とか、時間管理の仕方とかのセミナーや、コーチングのセッションなどを行っているからと思いますが。
谷山
あとは、あの日本手帳クリエーター協会の代表ですかね?
宮崎
忘れてました(笑)
日本手帳クリエーター協会の代表理事でございます。
谷山
これが1番推しなところですかね。
宮崎
そうですね。
谷山
この協会自体は具体的に言うと、どのような活動ですか?
宮崎
一応、理念が3つあって、
一つ目は場作り、「手帳」というものを通して繋がりの場を作りたいこと。
二つ目は人材育成、一人で頑張っている方を応援したいこと。
三つめは、日本には結構独特の手帳文化があるじゃないですか。それをまあ広めたいのですよね。
谷山
これを一緒に共同でやられている方が。
宮崎
そうです、CITTA手帳考案者の青木さんです。
設立する1年前にくらいにこういうのやらないかっていうお誘いを受けまして…。
そこから、1年間時間がかかりましたが。
谷山
他に手帳の朝食会も主催されてますが、コロナの時もずっと開催されていたのですか?
宮崎
リアルで集まるのはやめて、オンライン、ZOOMとか使って開催していました。
谷山
大体どのくらい、毎回集まって開催されていたのですか?
宮崎
今コミュニティに20数人いらっしゃって、朝食会は10人とか参加されてますね。
谷山
でも10人も集まると結構ZOOMだと大変じゃないですか。
宮崎
やっていることは、書いてるだけなので(笑)
谷山
そういう内容なのですね。
例えば自分も参加できますか?コミュニティに入らないといけないんですかね?
宮崎
基本は今、コミュニティ内でやってるときは会員限定ですが、他でやるときは大丈夫です。
谷山
私共のきっかけはあのノンブルノート「N」ですかね。
弊社社員と関わりいただいてから、もう何年前なんですか?
宮崎
ノンブルの前に、その手帳社中でやってるイベントにその方が来てくださったときですから、もう6年前くらいですかね。
[手帳を使うきっかけ 年玉手帳とは…⁈]
谷山
今回も、Makuakeのプロジェクトという形で、私共も参加させていただき、ありがとうございます。
Makuakeでストーリーを見せていただきました。
お母さんからもらった年玉手帳をきっかけと書かれてましたが、年玉手帳って普通、一般の人って言わないですよね?
宮崎
年玉手帳って言わない?
谷山
絶対言わないと思います。
僕らが言う業界言葉で、年玉って言葉を使っていて、なんなんだと思って、ちょっとびっくりしたんですよねえ。
宮崎
年玉って言いますよ。
谷山
(他の方に)年玉手帳って知らないですよね?
(他の方)
知らないです。
谷山
企業が年末年始にお配りする手帳の事ですけどね、でもそれって業界言葉ですよ。
もうびっくりしちゃって。
どこの会社様の手帳か、具体的に覚えてらっしゃいますか?
宮崎
なんか、もらった、銀行さんとか生保さんとか会社の手帳だったと思いますね。
谷山
それはインパクトがあったりしたんですか。
宮崎
それ多分、それまで自分は日記帳使ってたので、日記帳とスタイルが全然違うじゃないですか。
すごく面白かったんですね。時間管理というかね。日付が入っているし。
日記って書くのが好きだったんですけど、毎日書くのって結構大変ですよね。
でもそうすると日記帳よりも手帳ってスペースが少ないですよね。
それが面白いなって思ったのが始まりです。
[手帳遍歴 ほぼ日、レフィル、そして…]
谷山
そこから手帳歴が始まり、次にシステム手帳に代わっていったんですか?
宮崎
その頃は、普通にずっと手帳を使ってました。
谷山
それは販売している手帳を買って使われていたのですか?
宮崎
そうですね。その後その自分が大学くらいの時に、システム手帳がすごい流行って。
それを乗り越えてきました。
谷山
一時期流行りましたね。
その後ぐらいですかね。ほぼ日手帳が出てきて。
宮崎
そうですね。ほぼ日が出て、自分はすぐには買わなかったんですよね。
谷山
そうだったんですね。そういえば前に聞きましたが、手を出すといけないっていう。
あの表現がどういうことなんだろうと思ってましたのでお聞きしたいのですが。
宮崎
トラベラーズもそうなんですけど、カスタマイズできるものって、うかつに手を出すと深みにはまるじゃない。
谷山
ハマりそうですね。
ほぼ日さんのカスタマイズってなんでしたっけ?
宮崎
ほぼ日で自由にできるところですか。もう、なんかなんでもできちゃうよ。
っていう感じがありますよね。
谷山
皆さん、そういうきっかけで使う方、やっぱり多かったですけどね。
そういう自由度があるところもやっぱりほぼ日を選ぶきっかけですかね?
宮崎
そうですね。2、3年して我慢できず、買う、という事になりました。
谷山
もともとそういう、手帳を使いこなす、みたいなところはあるんですかね?
宮崎
学生のころ、いかに学校に行かないかを考えていて。
高校の2年くらいから授業が選択ができる学校だったので、3年の時はすごい上手く取って午前中だけしかいかなくて済むようにとか。そこに生きがいを感じていた時期が有りまして。
多分、他にしたいことがあるから、なるだけ効率よくしたいという思いがありました。
谷山
手帳に関しては、時間管理というよりは、アイテムとして使い勝手がいいというか、時間をコントロールできるとかを含めて継続して使ってるのですか?
宮崎
そもそも、ものとしても好きなんですけど、やっぱりツールとしてもすごい便利なので。
時間コントロールできるとか、うまく使いたいというのは、結構その頃からと。
その頃は、高校、大学の時ですね。バイトの管理とかでも使ってましたね。今はほら、携帯があるからいらないのかもですが。
谷山
自分の学生の頃って手帳を使うなんて、思ってなかったですけどね。
宮崎
私は大学、女子大だったんですけど、付属の女子校があって。
その子たちが今のデコ手帳みたいなこと、すでにやってたんですね、あの頃の女子高生。小さなシステム手帳持ってたりして。
谷山
昔ミニ6穴は流行りましたね、ものすごく。
宮崎
いろんな種類があってすごいかわいかった。
谷山
それにシール貼ったりしたりとか。異常に売れました。
弊社も穴あけの機械をレンタルで借りて間に合わせたりしましたね。
宮崎
ビジネスマンはA5だけど、女子高生はミニ6穴みたいに。
谷山
月間、週間、メモ、アドレス、シール、ポケット、はさみってありました。
今の携帯の使うお金がそれだったんですよ。
だからそこに女子高生たちは写真を切って貼って、すごかったです。手帳もパンパンに膨らんでましたよね。
宮崎
そうそう、それが初めてのいわゆるデコ手帳との出会いですね。すごい!!と思いましたね。
谷山
表紙が凝ってきて、ぬいぐるみの素材やPP素材で成形した表紙は、作れば作るほど売れました。
我々もそういうのを経て、レフィルのブームで、その流れでほぼ日さんスタートして、だんだんいろんな手帳が増えて、ターゲットを絞って使う手帳が多くなってきましたね。
宮崎
変わりましたよね。
やっぱりほぼ日が出た時にすごい変わったなって思ったんです。
手帳に対する、世の中の考え方が。1日1ページ手帳が増え、日記帳との境がなくなってきたなと。
[maketime手帳にかける、「想い」]
谷山
ほぼ日というブランドからジブン手帳、バーチカルという流れで、きてますね。
なんとか手帳っていうのは増えていて、ニッチなところというか。ノートとかでも今そういうものになってきてます。
それこそノンブルーノート「N」なんかも、本当にノンブルを入れるっていう。
その発想だけでも、手帳と同じような時間管理もできますので、そういった形でオリジナルの手帳がだんだんとやっぱり増えてきてるなという中で、今回、宮崎さんにやっていただいたんですけど、どれくらい長い期間作りたいと思っていたんですか?
宮崎
本当はあんまり作るって思ってなかったのですけど、最初は。手帳って人を縛ってしまうことがあるんですよね。手帳術もそうなんですけど、私、それ大反対派なの。
自分の好きなように、自分に合ってるものを、いろんなものを取り入れて、自分仕様にして初めて使っていけると思ってるので。なんか作ってしまうとそれに縛ってしまったり、自分がその教祖になるとか、そういうのが本当に嫌で、全然最初作る気がなかったんですけどね(笑)
でも過去にも菁文堂さんに見積を取ったのが、実は1回だけあるんですよね。
今回作りたいと思ったのは、コロナに入った辺りぐらいからです。
自分自身がちょっとそういう方向性を変えて、人に対して手帳の活用の仕方とかお話する機会が増えて、教祖にならなくても(笑)サポートっていう形で、それができるな、と。
谷山
確かにコロナになって皆さんも不安とか、そういう時代を迎えて、迷うところがあったりして、手帳の使い方のアドバイスを受けることで整理つくっていうのはあるかもしれないですよね。
宮崎
1つの手帳術とかにハマって、使いこなせないって言ってる人がいるんですけど、それがすごくなんか残念に感じられるのですよね。手帳にそんなに縛られることないじゃないですか。自由に使っていいんじゃないっていうのを伝えたいなって。
そんなことを考えているうちに、今なら作れる!!と思い立って高木さんに言ったんです、「今だったら作れます!」って、急に。
谷山
色んな声を聞きながら。
宮崎
コーチングを学んだこともあるし、自分自身が手帳の活用のセッションを始めることもあって、色々なユーザーさんの声をきくようになって。
手帳を使えないことで自分を責めてる人たちがいることがすごい残念だったから、なんか好き勝手に使えるようなものっていうのと、あとはちょっと矛盾ですが、自分がこういう活動する中でも、なんていうのか、武器って言っただけなんですけど、実体があることで伝えやすくなるので。
谷山
市販で売っているのも当然あって、それを活用するっていうのもあるんですけれど、自分の思っているものとは若干違っていたりとかありますしね。そう言いながら、市販の物もカスタマイズして使っている時期もありましたよね?
宮崎
そう、元々市販の手帳に自分が欲しいページをつけ足していたので、ごっちゃになっちゃうのですが。
谷山
そして、今がいろんな声を聞きながらのタイミングだったんですかね。
宮崎
そうですね…。多分1番、なんか「手帳が使いこなせない」という方の声がきっかけになってるのかな?
谷山
そういうのを蓄積して、その活動が行動にちょっと出てきたタイミングもあったと思います。
こういう手帳が今出ていたり、オリジナルノートやオリジナル手帳を作ったりとかっていうのは、宮崎さんとしてはまあいい方向というか、もっとこう、そういう風に、自分流に使ってもらえるようなものが増えてくっていうのはいいことなんだろうな、と。
宮崎
手帳が増えるっていうのは、やっぱりいいことだと思うんですよね。
谷山
そうですね。宮崎さんが思う、大きなこと言っちゃうと世の中とかね。
皆さんの行動のところでそういう風に使ってもらえれば、もっとより良くなっていきますよね。
宮崎
手帳が増えるのはいいことだけど、それをちゃんと自分で選べる目を作っていかないとね。
谷山
飛びついたはいいけど、難民が増えちゃいました、ではしょうがないですから。
宮崎
手帳はあくまでも道具ですからね。
谷山
確かに。そういう人はぜひ、宮崎さんにコーチングを受けてもらっていただいて。
我々も単純にご注文いただき、商品を作って納品するだけでなく、思いも当然あるんです。
やっぱりこうお話を聞くと、通常の手帳製造とかではない、思いっていう部分を大事にして、やっぱり我々も作る時にもしっかりこうやっていかなきゃ、と思います。
例えば今回もそうだったんですけど。リボンが、あの付け方でいいのかっていうのが、やっぱり現場で、疑問が出てきたのは、ものすごくよかったなっていう。
僕としては、すごくよかったんですよね、社内でも、あの刺激をもらえてね。よりいい方向に進んでくれる。これ多分当たり前っちゃ当たり前なんですけど、なかなかこう仕事をしていると、難しいところなんですよね。
宮崎
そもそもリボンが外側に出ていていいのか、問題もありますけれどね。
谷山
それ言い始めちゃうと、折込ページもしかりですけど。まあでもね、こういう、色々やらしてもらって、本当に僕らとしても色々学べたのでありがたかったです。
手帳を作るうえで、もうほぼほぼ完成っていう形ですけど、作る過程でなんかこう大変だったなとか、ちょっとそういうのって具体的になんかあったりしました?めんどくさいなとか…。
宮崎
いや大変な事というか、でもやっぱり思いを伝えるっていうか、うん。
このページは何のためみたいな話とか、ここは絶対こうしたいんです。それをやっぱり伝えるっていうのは労力いりますね。
谷山
そうですよね。理解してもらえないとね。
宮崎
それが作れない自分の思いを、言語化するっていうのもそうです。
谷山
そう、我々も色んなこう引き出しじゃないですけど、持っとかないと、そういう方たちの声に答えることもやっぱりできないんで。後で僕も振り返るんですよ。こういうこと言ってたんだっていうのを、勉強させてもらえるんで。
言葉にしてもらったのを、理解し、作る側として、理解するってものすごく大事なことなんだなっていうのは。社内に共有していこうかなと思います。
[オリジナルの手帳、ノートを作りたい人へアドバイス]
谷山
インタビューの内容としては、そういった形で色んな方達と僕らも繋がっていきたいと思っている中で、これから作りたいなと思う方達に対して、アドバイスみたいのがあったりしますか?
また我々もどういう気持ちで、どういうスタンスで作ってあげればいいのかなっていうのをちょっと聞きたくて。
宮崎
コミュニケーションじゃないかな、こっち側はもう作りたい思いしかないんですよね、素人なんですよ。
全てに関して、例えば自分で製本とか習ってたとしても、やっぱり工業製品にはまったくの素人じゃないですか。
菁文堂さんはプロ。多分菁文堂さんにしては当然のこと。もうなんて言うのかな。当たり前のことだったりするけど、私にはわからないことだらけだったり。そのすり合わせがどこまでできるかが大切なのかなと思います。
谷山
そうですよね。
言語化するのもしかりだし、言語化じゃなくても、本当にこう形にして、どういう用途で使うのかで、紙質も変わってくるかもしれないですしね。そういうところですかね。
我々だから、そこにどれだけ寄り添えるというか、どういうことを考えてるのかっていうのは、それこそ宮崎さんの思いのところまで届かないとできないのかな、と。
宮崎
今回の前にはノンブルノートNっていうワンアクションがあったので。
もうどういうものが出来上がるかっていうのは、なんとなく想像ができたので。菁文堂さんのオリジナル用紙っていうのもわかってたし、コデックス装っていうのもわかってたので、そこは全然省けたんですけど。
例えば、資金面のこととか?いい紙を使おうと思うと、ちょっとお高い値段が上がっちゃうじゃないですか?どこまで、どうやって資金を用意するのかってこととか。クラファンでいけるのか?いけないのか?もあるし、そこのすり合わせもすごい大事じゃない。
谷山
そこには今回も高木さんがいらっしゃって、やっぱりそういうチームっていうか、少しね。
コミュニケーション取りながら、1人ですることなので、そういう声をかけながら、メーカーさんの力を借りながら、っていう形で、まあせっかくですからね。
声をかけてもらえれば、もしかしたら宮崎さんにご紹介して、アドバイスができる関係者に話を聞いてもらうということもできるかもしれない。
宮崎
あとは、でもなんか言ってみることじゃないかな、できるって感じで。躊躇しないで聞いてみるタイプなので。
谷山
そんな感じでしたよね。作りたい!みたいな感じの。
宮崎
なんか、ダメ元で別に聞くだけだったらいいし、もしかしてできます?って(笑)
谷山
なんとなく決意表明っぽい感じの、そんな感じでしたよね。本当にありがたかったです。
今、我々、メーカーとして敷居が高いとか、感じを持たれているんですけど、全くそんなことはないと。聞くだけ聞いても損とかないですよね。
遠慮なく言ってもらって。こちらもできるものはできるし、できないものはできないっていうことで、もしかしたら…。
宮崎
もしかしたらダメって言われても3回言うみたいな(笑)
もしかしたらできるかもしれないし。もしかしたら、ってね。
谷山
そんな人ばっかり問い合わせたらどうしよう…笑
他のそういうノートを作る方がいらして、もっとすごいこと言っていたんで。
我々としては引き出しをね、増やしていって、皆さんの声に対して、応えられるような形を作っていきたいと思います。
あとはずばり今後、maketime手帳がどうなるか?
宮崎
今年、730人くらいの方にご支援いただいて、その方たちに実際使っていただいて、その感想とかお話も聞きたいなって思いますね。例えば特に後ろの方のメモページとか、そこら辺に関してとかはちょっと聞きたいかな、また来年に向けての参考に。
谷山
これをきっかけに色々と他にもまた、商品化等あればお声をかけていただければと。一生懸命宮崎様のために頑張ります!
お時間いただきましてありがとうございました。
<宮崎じゅんさん>
maketime手帳考案者。手帳活用プランナー。時間のコンサルタント。日本手帳クリエイター協会代表理事。手帳社中主宰。手帳朝食会主宰。ノンブルノート「N」監修者。
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