連載企画⑦『本と手帳の違いってなに?』~紙の基礎知識~

紙の基礎知識

こんにちは!飯島です!

暑さも次第にやわらぎ、過ごしやすい気候になってきましたね。
文化祭、運動会、夜に聞こえる虫たちの音色など周りも徐々に秋めいてきましたね。

今回は「紙」についての基礎知識について書きます。

▼目次

①種類

②数え方

③重さ

④サイズ

⑤厚さ
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①種類
よく使われる用紙の種類についてまず紹介します。

・上質紙
コピー用紙やプリンタの出力紙として使われているのが上質紙です。折込チラシ(白黒など)や本などにも使用されます。
PPC用紙、普通紙などとも呼ばれ広く使われています。紙の表面に加工は施されてなく、パルプの質感を活かした紙です。

コート紙
折込チラシなどのカラー印刷によく使用されている、白くつるつるした光沢のある紙です。上質紙の表面にコート材を塗布して滑らかにしてあります。
上質紙よりインクの乗りはよく、パンフレットやカタログ・ポスター・書籍・雑誌のカラーページなどに使用されます。

アート紙
美術誌や写真集、カタログなど写真の質や色の仕上がりが重要な印刷物によく使われる紙です。白く滑らかで強い光沢がある紙で、印刷用としては最高級のものになります。

再生紙
古紙を再生利用した紙になり、リサイクルペーパーとも言います。古紙の配合率が何%でも再生紙といいますが、古紙の配合率がわかるように再生紙使用マークが使われています。再生紙にも上質紙・コート紙・アート紙などさまざまな紙の種類があります。

板紙、ボール紙
厚くて丈夫、箱や本の表紙などに使用します。

手帳用紙
薄く、軽く、インクの裏抜けも少なく、手帳というアイテムに使用する用紙としては理想的。ただし、価格が比較的高く流通量が少ないです。


②数え方

基本、紙を数えるときの単位は単純に「1枚、2枚~」でいいんです。
ただ、他のものの数え方と同様に、ある量がまとまると別の呼び方になります。
その単位は「連(れん)」。漢字のかわりに「R(れん)」を用いることもあります。

「1連」という場合、平判は規格寸法に仕上げた紙1000枚を、巻取紙では規格寸法の紙1000枚分をさします。つまり、「連」とは1000枚を一括して表す単位です。例えば、紙を取引するときには1連とか1.5連とかいう形式で取引されます。
板紙の連は少し違います。板紙は普通の紙より厚いので100枚を1連としています。書き方としては「ボード(Board)連」ですが、略して「BR」というように使います。

③重さ
印刷業界で紙販売業者さんに発注するときには、通常一枚からではありません。
紙の重さ、厚さをあらわす単位に「キロ連」があります。
キロ連量は、全判用紙 1000枚の重さを「kg」で表示した単位です。同じ紙でも判型が変われば連量も変わります。
紙の場合は、一定の面積で比較をしています。
昔は、尺貫単位でしたので、1×1尺の大きさの紙を匁(もんめ)で表してこれを坪量、あるいは尺坪、尺坪量と呼んでいました。(坪は正方形を意味します)
現在では1㎡当たりのグラム数、これをメートル坪量・米坪あるいは単に坪量といい、「g/㎡」であらわします。
この坪量という単位は、製紙メーカーまでで、商業ルートにのってからは、判型に応じた目方で表現されます。
株式会社紙藤原 引用)

④サイズ
日本で使われる紙のサイズは、大きく分けてA判とB判の2つの系列があります。他に菊判、四六判やAB判といったものがあります。
A判・B判にある数字の1~10はA0(B0)から何回半分に折ったサイズなのかを示しています。したがって数字が大いほど紙のサイズは小さくなります。

<A判、B判 サイズ一覧>

A判 B判
<わたしたちが日常目にするもの該当サイズ>

B1 ポスター A1 新聞紙見開きの大きさ
B2 タペストリー A2 新聞紙を閉じた大きさ
B3 電車の中吊りポスター A3 選挙ポスター、A4ノートの見開きサイズ
B4 新聞折込チラシ、400字詰原稿用紙 A4 ノート、コピー用紙、契約書、履歴書、楽譜
B5 雑誌、週刊マンガ、カタログ A5 教科書、ハードカバー書籍
B6 大きめのマンガ単行本 A6 文庫本、母子手帳
B7 パスポート、手帳 A7 ポケットノート

 

⑤厚さ

ペーパーゲージ

写真は、ペーパーゲージといい、紙の1枚の薄さを計る計器です。
メーターの1目盛りは0.01mmで、つまり「10」の目盛りは0.1mmというものです。
わたくしども紙の仕事をしているものにとっては、なくてはならないものです。
このように紙を挟んで厚さを測ります。写真のものは上質紙で、0.18mmほどです。

私たちが日常使うコピー用紙は、0.09mm前後の厚さです。
紙の単位としては55kg~70kgもしくは64.0g/m²~81.4g/m²程度になります。

他に触れる機会の多い紙として、
官製はがき…0.22mm
レシート…0.07mm
新聞紙…0.08mm
ノート…0.10mm~0.12mm
雑誌の本文…0.08~0.10mm(表紙が0.13~0.19mm)
手帳用紙…約0.07mm

一言で『紙』と言いましても、このように種類、大きさ、厚みなどいろいろあるんです。
皆さんも日常生活の中で、紙について意識していただければ嬉しいです。

わたくしども手帳業界では、秋は企業様向け手帳の印刷製本の忙しい時期。
いい品物をお届けできるよう、がんばります!