連載企画㉑『本と手帳の違いってなに?』年玉手帳〜その深き世界〜

年玉手帳

こんにちは市川です。

今回もブログの当番が回ってきました。
このブログは、弊社のバトリックと言う中の人が取りまとめて、社内の各人に記事依頼をするのですが、今回バトリックより私、市川に来た記事依頼が「~手帳の種類~年玉・学生手帳・キャラ」でした。

随分と大きな範囲で依頼をしてきたなと。
手帳評論家であり手帳のレジェンドである舘神さんなら、これで1冊本出してるレベルです。
(舘神さん、今更ですが「手帳と日本人」ご献本ありがとうございますm(__)m)

『手帳と日本人』著:館神龍彦 献本頂きました!

ですので、もうちょっと絞って、今回は年玉手帳と言われる手帳を、作る側の視点でご紹介いたします。

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▼目次

①年玉手帳

②年玉手帳の作り方

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①年玉手帳

読み方からです。

ねんぎょくてちょう」です。
「としだまてちょう」では、ありません。

「お名入れ手帳」なんて言い方もしますが、「年玉手帳」の方が、この“業界”的に使われている気がします。

なぜ「ねんぎょく」と読むようになったのかは不明ですが、えてして印刷用語は、「ヤレ」「クワエ」「シリ」「トンボ」など自然発生的なのに、全国共通な呼び方が沢山あるので、気にしないでおきます。

年玉手帳は、年や年度の変わり目に企業や団体から配られる「おとしだま」としての手帳全般を指します。

ここら辺のそもそも論と遍歴は、「軍隊手牒」や「懐中日記」などと絡め、舘神さんが著書で本当に深く考察しているので、是非そちらをお読みください。

手帳と日本人

 

②年玉手帳の作り方

名入れ 手帳 サンプル

大きく分けると、「例年通りの手帳」を作る会社様と、「毎年違う手帳」を作る会社様に分かれます。
例年通りの手帳なら、日玉(「ひだま」、曜日や日付などの事)を次年度に打ち換えて、部署の住所や電話番号などを修正しご確認頂く手順になります。
部数にもよりますが、ちょうど今の時期が初校出しの時期になります。

毎年違う手帳を作られる会社様や、新しく作りたいとお申し出の会社様ですと、かなり早くから動きますし、動き出したいです。
その会社様の考えにもよりますが、早い会社様ですと、2月3月には最初のお声掛けが有ります。
これくらいからスタートすると、『前年お配りした手帳の評判は?』『来年はどんな手帳にしようか?』などから始まり、大きさ・素材別の束見本やサンプルなどを作成し、納得のいく手帳を作り上げる事ができます。

もちろん中身である本文については、きっちりと詰めます。

特に、「新しく手帳を作りたい」「社員手帳を作りたい」等のお声が掛かった際は、念入りにいきます。

・誰をターゲットにしているのか?
・従業員だけが使うのか?社外にも配るのか?
・この手帳で何がしたいのか?
・日程の管理だけで良いか?時間管理まで必要か?
・大きさは?(支給作業服の胸ポケットなど既に決まった大きさが有るか?)
・デスクに置きっぱなしか?持ち歩くか?

などなど。

手帳の本質であり、できる事なら、ここには大きく時間を割いて作り上げたいと思っております。

なぜなら、年玉手帳の最大の特徴は、従業員やお取引先様など特定の人たちに、手帳を通し、その会社の強い意志を伝えられる点にあると思います。

社外の方々へは、社名はもとより各事業所の所在地や取扱製品に関する事などを、いつでもアピールするアイテムとして。

従業員の方々へは、社是社訓や年表、創業者や代表者の想い、その会社のフィロソフィーや歴史を絶えず伝えられ身に着ける事が出来、さらに全社で時間軸を共有し、タスク管理の手法を共通化する事が可能な、実に有効なツールなのです。

正直、平成不況と言われたおりは、年玉手帳を取りやめてしまう会社様も多かったのですが、時代が変わり令和となった今、こんな素晴らしい「年玉手帳」を、今一度お考え頂ければ幸いです。

年玉手帳