こんにちは!飯島です
いよいよ4月、桜が満開になるくらい暖かでしたが、今週は肌寒いですね。体調管理にお気をつけください(*^-^*)
以前、連載企画⑩「ページをつなげる糸と糊」で小笠原がお話ししましたが、
今回は「製本の綴じ方と糸綴りの製本」についてお話いたします。
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▼目次
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みなさんの身の周りの製本物は、それぞれの使用用途に適した手法で製本が区別されていることはご存知でしょうか?
下記に主な製本手法と用途、メリット&デメリットを紹介します。
●糸綴り製本
手法 ・折と折を糸で綴じ合わせている
用途 ・手帳、書籍
メリット ・丈夫で長持ち。180度フラットに開く
デメリット ・糸綴じ工程を経る分、費用と時間がかかる
●無線綴じ製本
手法 ・糸や針金を使用せず、背中を接着糊で固める
用途 ・文庫本、ページ数が多い雑誌など
メリット ・工程時間と費用がかからない
デメリット ・耐久性や丈夫さは高くない。糊で背中を固めているのでフラットに開けない
●針金中綴じ製本
手法 ・背中から針金(ホッチキス)で総ページの見開き真ん中で綴じている
用途 ・パンフレット、週刊誌
メリット ・工程時間と費用がかからない。開きが良い
デメリット ・真ん中から針金で綴じるので、ページ数の多いものには適用できない
・堅牢性に劣る
・安全面で針金使用不可の条件があるものには適さない(医療、食品、化粧品関連など)
●ミシン綴じ製本
手法 ・総ページの真ん中を業務用のミシンで糸綴じされている
用途 ・ノート、通帳、パスポート
メリット ・糸綴じで耐久性あり。開きが良い
デメリット ・ページ数の多いものには適用できない
このようにそれぞれ用途により使い分けられているのです。
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大きく分類しますと、出版物は「読むためのもの」と「書くためのもの」に分けられます。
弊社がおもに製作しております手帳、ノートは「書くためのもの」になり、1日に何回も開閉し、書き込むために180度のフラットさが必須。1日10回開閉の単純計算で1年間におよそ3,600回も!無線綴じでは壊れてしまいます。
1年使っても堅牢性のある、糸を使う製本が手帳には適しているのです。
弊社はページ数の多い手帳には糸綴り製本、ページ数の少ない手帳にはミシン綴じ製本といずれも“糸で綴じる”ことでの堅牢性と開きにこだわっております。
また、菁文堂では糸綴じ手法に加え、開きの良さを追求するために背中接着に背クロス、寒冷紗での仕上がり製本を行っております。
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この機会に、書店や文具店で、身の回りの製本物の製本の違いを意識してご覧になってはいかがでしょうか。
ではまた次回お会いしましょう!