連載企画⑪『本と手帳の違いってなに?』~ 表紙材について~

塩ビ見本帳中身

こんにちは!飯島です。

皆様、ご自分のお使いの手帳の表紙はどのような素材のものですか?

今回は、手帳のカバー表紙素材の種類について書きます。

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▼目次

①カバーがある理由

②使われている各種素材種類の特徴
・本革
・合皮
・塩化ビニール
・クロス
・オレフィン

③「塩ビ」生地種類

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①カバーがある理由

手帳は1年間ほぼ毎日使用しますので、紙のままむき出しですと、使用によるこすれ・汚れ・破けたりなどのダメージが出てきます。外側にカバーをかけることで、紙部分の耐水・耐久性、堅牢性を保持します。

手帳中身本体のデザインを気に入って選ぶのは勿論ですが、
素材や色で自分が一年間飽きずに使えるお気に入りを表すのに表紙カバーは重要なポイントです。

②使われている各種素材種類の特徴

持ち歩かないで、卓上で使用するものであればハードカバー仕様のものもございますが、一般的に手にフィットする柔らかめの素材が多いです。

買い替えやすいビニール製のものは大量生産できるので安価だったり、価格的にも高めの革は使うごとに味が出てくるなどそれぞれ特徴がございます。

●本革

手帳の表紙素材の中では最高級クラスで、高価ですがその分耐用期間も長く丁寧に使えば何年も使い続けられます。
手帳本体の紙素材よりも高いものがほとんどで、素材にこだわりたい方がお選びになります。
ただし調達に時間を要しますのでほぼ受注生産扱いとなります。
システム手帳のような、中身の紙部分を毎年取り換えて表紙はそのまま継続使用するタイプに多いです。

材料は天然の牛や羊の皮。動物から剥いだままの状態が「皮」です。
「皮」をなめし加工(動物性脂肪を綺麗にそぎ落とし、仕上げの加工をする)を行い「革」となります。
経年変化により使い続ければ風合いが出て、長い期間使い続けることができる素材です。

本革

 

 

 

 

 

 

 

●合皮

天然の布地に合成樹脂を塗布し、表面を本革に似せたものです。
この布地に型押しをすることで革の質感を人工的に作っているので本革に近い質感があり、本革よりも素材の種類があります。
ただし、本革と違い経時劣化しますので3年程度でべたつきやボロボロになったりします。

●塩化ビニール(塩ビ)

手帳の表紙に主流で使用されている素材が塩ビです。
安価で流通しており素材や色バリエーションも豊富です。

使用頻度が高い理由として
・柔らかさを自由に変えられる
・着色やプリント加工が容易にできる
・透明性に優れる
などがあげられます。

生地の種類については、後ほど③「塩ビ」生地種類で紹介します。

●クロス

布クロス、ビニールクロス、紙クロス、レザークロス等があります。
百科事典・企業年史等に使用される素材です。
上製本形式のハードカバー仕様手帳に使用します。

クロス見本帳

●オレフィン

環境に配慮した素材として需要があります。
ダイオキシン、地球温暖化等の問題に対応しています。

正式名称は「ポリオレフィン」と言い、燃やすと水と二酸化炭素などになり環境に配慮されている材料であるとされています。
ポリスチレン(PS)などと同じく汎用プラスチックに分類できます。
塩ビほど素材種類は無く、加工性も塩ビの方が優れています。

塩ビの販売を禁じている業界や企業様があり、一概には言えませんが、食品・玩具関係、スポーツメーカー・化粧品関係がその傾向です。

オレフィン見本帳
③「塩ビ」生地種類

手帳素材用としてメーカーが多種のバリエーションを用意しています。
しぼ(凹凸の模様)や色で多種銘柄があります。価格も一定では無く安価から高価まで差があります。
塩化ビニール サンプル

 

 

 

 

 

塩化ビニール サンプル

 

今回、表紙素材にさまざまな種類があることを書きました。
皆様も手帳に触れる際に、「この表紙素材は何だろう?」と思ってみたり、手帳を購入される際に、表紙素材についても思い出していただけたら大変嬉しいです。

では、またつぎの機会にお会いしましょう!