連載企画⑱『本と手帳の違いってなに?』~小口塗り加工~

小口

こんにちは! 小笠原です。

以前小口金付けをご説明させていただきました小笠原です。

今回は、小口塗りについてのお話です。

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▼目次

① 小口 色塗りとは

② なぜ色を塗る?

③ 小口塗りには、手帳用紙が最適!

④ 塗り用 万力

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① 小口 色塗りとは

手帳の天・小口・地側に粉末状の染料を水に溶かし、刷毛で色を塗る加工を【小口塗り】と呼びます。

(本の部分名称は、連載②でご確認ください)

冒頭の写真の様に染料によって色を変えることが、可能です。

(但し染料の色数が限られております)

 

② なぜ、色を塗る?

ずばり!! 手帳は、1日何回もページを開くことを1年間繰り返し、汚れてしまうので色を塗って汚れを目立たなくする為です!

(なんとなく答えが想像ついて、チコった方いらっしゃると思います)(笑)

本文用紙に使われている用紙色は、白や淡いクリームが多い為、どうしても使い続けると手垢などで黒く汚れてしまいます。

そこで小口に色塗りをすることで、汚れが目立たなります。

また、色を塗ることでちょっと高級感など出てくるかと思います。

(薄い色は、汚れ防止より見た目重視かと思います)

小口に色を塗る加工は、まさに年間なども手にする手帳ならではの工程と思います。

 

③ 小口塗りには、手帳用紙が最適!

小口塗りに向いている用紙は、やっぱり手帳用紙ですね!

小口塗り工程は、水に溶かした染料を刷毛に染み込ませ固く絞って、専用万力でギュッと絞めた手帳に、側面だけに色がつくように塗ります。

紙に水を塗るので、上質紙などではどうしても中側まで染み込んでしまいます。

手帳用紙は裏抜けしにくいように抄造されているので、中側まで染み込みにくいです。

(手帳用紙には、有名なトモエリバーやコロナ手帳用紙などございますが、弊社ではオリジナル手帳用紙【菁文堂手帳用紙】をご用意しております。くわしくは、本日発売の【デザインの引き出し・36】もしくは、過去のブログ【手帳用紙抄造】をご覧ください)

 

④ 塗り用 万力

こちらが、小口塗りの際に使用する万力です。

① 手帳を角に合わせてセット(上下にあて板をします)

② 万力で締めたら、角揃え用金具が離れ、手帳が回転出来る状態になります。

③ 回転させながら、天・小口・地側 三方を刷毛で塗ります。

④ 上記作業を6セット繰り返している間に乾燥させ、7セット目は、最初に塗ったものを外して、塗る前のものを空いた箇所にセットして順次作業を繰り返します。

他社様では、インクジェットを使用して柄など印刷できるようですが、そのお話はまたどこかで(^_-)-☆