こんにちは!バトリックです。
3月15日、荻窪にあるブックカフェ・6次元さんで開催された「校正ナイト」に参加してきました。アイコン画像は6次元オーナーであるナカムラクニオさんのツイッターからお借りしました。
ドラマでも取り上げられ話題になりましたが、”校正”といってもそれはもう、さまざまなやり方や見方があります。今回は特に<文芸・小説>における校正の、ひとつのやり方だと思ってご覧ください♪
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▼目次
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不定期に6次元で開催されるイベントです。
総合出版社校閲部で勤務しながら、ひとり校正社「栞社校正室」を立ち上げた牟田都子(むた・さとこ)さんを中心に、実際の校正体験を通じて”校正とはなんぞや?”という初歩的なことから、校正よもやま話などなど興味深いお話が聞けます。
毎回少人数で行われており、今回は10名ほどの参加者でした。博物館・医学書出版社・漫画出版社にお勤めの方や、書体デザイナーの方など様々な業種の方がおられました。少人数だからこそ人が発言しやすく、こういった普段全く触れないような業界のお話を聞けるのもこのイベントの魅力のひとつです。
そもそも「校正」というのは、印刷物と原稿とを見比べて文字などの誤りを正すこと(三省堂Web Dictionaryより)という意味です。弊社の行っている”校正”はこの意味合いが強いです。他にも体裁などのチェックも行っております。詳しくは今後の連載記事『本と手帳の違いってなに?』で!
校正では、修正指示を赤字✑・疑問点や提案は鉛筆✍で書きます。このイベントでは実際に校正問題をやってみることもできて、かつ他の人の赤字・鉛筆(疑問)も見ることができるのです!お得!と私は感じて何度か参加させていただいてます(笑)
今回のイベントでは、牟田さんのお書きになった短めの文章を校正しました。
躊躇なく赤字を入れる私とは対照的に慎重に鉛筆を入れていく友人…。フリーランスで雑誌やWebの校正をやっています。
A4用紙2枚分の文章を30分で校正しました。終了後、牟田さんが実際に校正したプリントが配布され、感じたことや疑問に思ったことなど一人ずつ発表していきます。
校正では、校正記号と呼ばれるものを使って指示を入れます。
←こちらが牟田さんが校正されたもの。書き方や入れ方は出版社や校正プロダクションなどで変わります。
私はこれを拝見して、「自分は赤字入れすぎだなぁ…。」「見やすいしわかりやすい!」と感じました。
校正者が著者の方に会うことは基本的にはありません。なので、文字だけで伝えなくてはいけないのですが、それって本当に難しいことです。
「〇〇ってこれによると▲▲なんですけどここではどういった意味なんですかね~?」なんて談笑混じりにお訊ねできません(笑)
簡潔に、かつわかりやすく、それでいてでしゃばらない。実は校正ってものすごくコミュニケーション能力が必要だよなぁ、としみじみ感じます(笑)
参加者の疑問に答える形で牟田さんがご自身の体験談や、校正で気を付けていることなどお話してくださいました。たくさん貴重なお話を聞けたのですが、恐れながら割愛させていただいて箇条書きでまとめました。
●1文字1文字疑う。「気づき」の力を養う。
●調べ物をするときは一次資料に当たる。まず紙の資料から。どうしてもなかったらWebで。
●辞書アプリを携帯にいれておく。ジャパンナレッジを利用する。
●仕事をするときは、必ず最初に編集者に会って、どのような本にしたいのか・どのように校正すればよいのか話し合う。
●校正はオーダーメイド。
●人の赤字や鉛筆はできるだけ見る。自分の成長へとつなげる。
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上記にもありますが、”人の赤字を見る”って、特に校正者なりたての頃とても勉強になります。もちろんそれは何年経験していたとしても同じだと思います。
私もベテランの方の赤字見ると、「なんでそこ気づけるんだ…」なんて神業のように感じます(笑)
奥深い校正の世界、みなさんもぜひ校正体験してみてください♪
*ナカムラクニオ様、牟田都子様、「校正ナイト」参加者の皆様、ブログ掲載にご協力ありがとうございました!