連載企画【手帳ができるまで】第9回「印刷~管理部が気を付けること~」

こんにちは!長谷川です。
私の今回のお題は連載企画第9回「印刷~管理部が気を付けること~」です。
実際の印刷現場については第8回「手帳屋が気を付けること」で連載されましたので、ここでは管理部の主な役割である事前手配と事後チェックについてお話ししましょう。

 

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▼目次

①色見本、刷版出力のアミ角度

②予備枚数の指定に気を付けて

③印刷立ち合いでは

④刷り出しチェックは厳重に!

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①色見本、刷版出力のアミ角度

印刷の手配でまず気を遣うのが、刷り色の指示です。
通常、事前に色校印刷した「色見本」を付けるのが基本で、印刷はその通りの色味に仕上げるのですが、お客様によっては色見本にコメントが付いている場合が多々あります。
たとえば、「これ以上濃くならないように」「青み抑える」などなどです。

こういった場合、印刷の現場が迷わないよう、お客様が求めるところの程度と色の方向性を明確にしなければなりません。
また、キャラクターものでは、色校正後に部分的に色味を変更している箇所があることがあります。そういった箇所は色見本に「修正あり」などと記載し、知らせる必要があります。
とにかく、現場が色合わせに迷わないことが大事です。

 

次に注意するのが、印刷を外注する際の、刷版出力の網角度の指定です。
オフセット印刷では印刷部分が網点で表現されていますが、CMYKの色によって角度がそれぞれ違います。

CMYK オフセット印刷の基本4色

通常のアミ角度

通常の4色印刷では、Ⅽ 15度、M 45度、Y 0度、K 75度なのですが、我々手帳屋の基本はM 75度、K 45度としています。
詳しい説明は省きますが、この角度にすることによって黒い罫線が綺麗に見えるようになるのです。

印刷を外注する際は、必ず指定しなければなりません。

 

②予備枚数の指定に気を付けて

予備枚数の指定は特に重要で、ふたつの予備があります。
ひとつは「印刷予備」といわれるもので、主に印刷機の調整と刷り色合わせに使用する予備紙です。用紙が薄く、刷りにくいものは、多めにつける必要があります。弊社では用紙の厚みによって基準を設けています。

もうひとつは「製本予備」です。こちらは製本時に必要な予備で、製本の難しさによって予備枚数が変わってきます。弊社ではこれも仕様によって基準があります。
足りなくなると追加印刷という2度手間になってしまうので、間違いは許されません。

製本の折機 薄い紙ではヤレが多く出る場合がある

製本の折機
薄い紙ではヤレが多く出る場合がある

 

③印刷立ち合いでは

お客様によって、「印刷現場で色合わせしたい」「色を確認したい」という要望もあります。いわゆる「印刷立ち会い」です。
この場合は、色見本の指定以上に、お客様の求める色をより詳しく掴んでおく必要があるでしょう。
とにかく印刷現場は効率優先。お客様の求める色を、短時間で実現できるよう心掛けねばなりません。

 

④刷り出しチェックは厳重に!

最後は刷り上がった印刷物のチェックです。
色味は合っているか、ゴミ・カケ、色ムラはないかを厳重チェック。
これでOKなら、印刷についてはようやく任務完了というわけです。
(もしNGなら刷り直し・・・。ガックリ?)

ガックリしないよう、全力で頑張っています。
ではまた、次回お会いしましょう。