こんにちは、飯島です!
新型コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントの中止が相次ぎ、日常生活に影響が出ております。夏にはオリンピック開催もありますので心配な今日この頃です。
今回は手帳製本「折」についてお話いたします。
************************************
▼目次
***********************************
①折加工とは
折加工とは、印刷物を目的や用途に合わせてページが正しい順番になるように折り畳む作業です。刷本には何ページ分もの印刷がされていて、面付け時に刷本をどのように折るか、あらかじめ折り上がりを想定して行われます。
②折の種類と用途
目的や用途に合わせて様々な折り方があります。
●2つ折り
印刷物を紙面の中央から直角に折る。例:折り込みチラシ、ダイレクトメール、パンフレット
●3つ折り
印刷物を3等分にし、1面を内側に入れるように折り込み、反対側の1面を被せる折り方。ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット
●ジャバラ折
ジグザグの形状に折りこむ。パンフレット、リーフレット
●観音折
印刷物を4等分にし、外側両端を内側に折り込んだ後、さらに真ん中を2つ折りにする。観音開きのように開くため、この呼び方。パンフレット、リーフレット、会社案内など
●4つ折り
紙面の縦横の長さの長い方を2つに2回折る。同じ方向に折る折り方は巻き4つ折という。パンフレット、リーフレット、会社案内など
●8つ折り
直角方向に3回折り16ページにする折り方(16ページ折とも言います)。一般の製本物
③紙の目と折
折り加工を行う際に、紙の目が重要な意味を持ちます。
紙の目とは、紙を構成する繊維の流れのことです。(詳しくは手帳小話「紙の目」をご覧ください)
紙は、紙の目の方向に折りたたむ時に折れやすくなります。紙の厚さ、紙の目に逆らった折り方にしてしまうと、折りの方向とは垂直に反りが発生する場合があります。内側に反っていく様な感じです。また、折り目が割れやシワの発生などの原因になってしまうこともあります。
折り加工を行う時は、この紙の流れ目に沿うことで、きれいな折り目を付けることができるのです。折り目のことも計算して紙を選定する必要があります。
折りのある印刷物は、紙は目に沿って作製するのが基本で、仕上がりもきれいに上がります。
④ページ数と折の関係
手帳は基本、16ページ単位で1折とします。(32ページの場合もあり)
ページの構成で、16ページで割り切れるページ数が望ましいです。
なぜかといいますと、16ページで割り切れなくても8ページや4ページの折りをつければいいのですが、2の倍数であることと、例えば総ページ156ページの場合、16Pが9台と8Pが1台と4ページが1台と計11台になります。8ページや4ページでも1台分となりますので製本工賃を考慮しますと、かえってコストアップとなる場合があります。
⑤小型手帳は巻き折
手帳は主にサイズが書籍よりも小さくて紙が薄いので、16ページ(8ページ表裏)を3回折る巻き折り(平行折)が一般的です。
理由は、折の際並行になるよう同一方向にのみ折ることで他ページとの罫線のずれを極力少なくするためです。
手帳の本文に印刷されるのはほぼ罫線的なものにつき、ずれると、同じレイアウトの繰り返しなのでわずかな違いがとても気になってしまいます。”ずれがない”ということを他の印刷物に比べて特に意識しております。
最終的な製本精度に大きく影響する工程なので、湿度や静電気の影響にも気を遣って正確な折り精度になるよう努めております。
連載企画⑯「面付けと紙の取り都合」でも取り上げておりますのでご覧ください
令和2年も2か月が経とうとしていますが、私どもはすでに2021年版の手帳の製作を着々と準備しております。
今後とも菁文堂をよろしくお願いします!